2013年06月30日

pippoのポエトリーカフェ〔第四期二回〕★吉井勇篇

昨晩、近代詩の伝道者、pippoさん主催のポエトリーカフェに久しぶりに参加。
2011年、第二期一回(八木重吉篇)から、都合がつく限りは参加してきたのだけど、今年の2月からしばらくお休みしていた。

すごく詩が好き、というわけでもなかったけれど、pippoさんに出会ってから、詩集、特に近代詩人の詩集を手にする機会が増えた。
ポエカフェに参加して、興味が出たり、大好きになった詩人もいて、影響を受けまくっている。

今回は、詩人ではなく歌人の「吉井勇」篇。

ポエカフェは気軽な学びの場なので、予習をしなくても、参加して困ることはない。
pippoさんが資料をちゃんと用意してくれるし、知識がないことで気まずい思いをすることもない。
ただ、自分なりに予習をした方が、より楽しめる。

今回は、1冊だけ持っているはずの吉井勇の歌集がどうにも見つからず、図書館で文献を借りることも忘れ、ほぼ白紙の状態での参加となった。

吉井勇について知っていたことといえば、明治生まれの人、華族出のお坊ちゃんで遊び人、与謝野鉄幹に師事した歌人、パンの会に参加していた、ということ。
あとは、大好きな漫画『坊っちゃん』の時代 (双葉文庫)や、啄木に関する本、北方人さんが書かれた『木版彫刻師-伊上凡骨』で名前が出てきたな〜、というぐらい。

ポエカフェでは、pippoさんが選んだ作品の中から、全参加者がくじ引きで、朗読する詩や歌や散文が割り振られる。
私は、今回3番目で、1910年刊行(25歳の時)の詩集『酒ほがひ』の中の、「Panの会〜この歌を フリッツ・ルンプに寄す」という小題でまとめられた歌の中から、2首を読んだ。

・牧羊神(パン)の髪いとながながと吹きみだす神無月ともなりにけらしな

・うたびとのGOETHE(ゴエテ)の家の下男よりすこしまされりFRITZ・RUMPF(フリッツ・ルンプ)は


ゴエテはゲーテ。ルンプの祖父?が、ゲーテの家で働いていたそうだ。

「どうですか? 何か感じたこととか?」と聞かれて困る。

時々、当たった作品が、その詩人の作品の中で一番好きな作品だったり、今の自分に沁みる作品だったりすることがあり、そんな時は思いっきり勝手な感想を展開できる。
が、今回はどうも響いてこなくて、他の恋愛の歌なんかは「勝手なこと言ってる」とか「開けっぴろげだなあ」とか多少感想も抱いたのだが、この2首は好きとも嫌いとも言えず。

久しぶりということもあり、ぼけっと参加してしまったが、やはり、事前学習しておけば良かったなと思った。自分のためにね。

一夜明けてから、改めて読んでみた。
牧羊神というと、毎回思い出すのが、映画パンズ・ラビリンス

印象深い映画だったので、どうしても映画に出てくる牧羊神の映像(気味が悪い)が浮かんでしまう。
髪がながなが吹きみだす意味はわからないが、神無月、10月は気持ちの良い季節だし、さぞや酒も美味しく、パンの会も盛り上がったのだろうな、なんてことを思った。

単純だ。単純だけど、吉井勇の歌は、そのまま受け止めて良いのではないか。
若い頃の酒の歌も恋の歌も、蟄居していた頃の寂しい寂しいと嘆く歌も、母や妻を詠んだ歌も、あれこれ想像して難しく解釈するよりも、そのまま味わえば良い気がする。

「え?そんだけ?」と思うぐらい、日常に溢れている状況を、その時思ったことを、考え抜いた難しい言い回しではなく、一般人が理解できる程度の言葉で表現しているように思う。

華族のぼんぼんだけど(だから?)、上から目線じゃないし、「一味違うんだぜ俺は」とか「この才能を見よ!」的なものも感じられない。

でも、それって、下手をすれば「まったく目立たずに埋没してしまう」わけで、そうならなかったのは、やはり突出した才能あってのことだろう。

どの時代の歌が好きかと問われれば、『形影抄』以降の、枯れた風情で「想い出を歌った歌」が好きかも。
初参加の男性で、ご自分でも詩を書かれるという方が「長生きしたことで、日常を単純に歌った歌でも、その人の変遷がわかって面白い」とおっしゃっていたが、その通りだと思った。

出席者の何人かが絶賛していて、pippoさんもお薦めの一冊、五足の靴 (岩波文庫)、を読んでみたくなった。

今回、ポエカフェで吉井勇を取り上げることを知った、高知在住の研究者の方からメッセージが届いていた。
『短歌研究』という専門誌に「吉井勇の旅鞄」という連載を持っておられる方だそう。
高知に吉井勇記念館があることを知った。かの地に旅した際には訪れてみたい。
「美しい空っぽの歌」という表現に、なるほど〜と思った。
主義主張や強い想いが感じられない歌が多いからかな。空っぽの美学か。

最後に、吉井勇作詞の「ゴンドラの歌」を皆で歌うということになったのだけど、私は曲がわからず。
歌詞には聞き覚えがあるのだけど、中山晋平作曲のメロディーがわからなかった。

古い歌だけど、大学生のM君が「わかる」と言ったので、年代的な問題ではない。
YouTubeで前川清ばかり見てないで、こういうのを聴くべき?

*****   *****   *****

ポエカフェでは、課題詩人にちなんだ、特製フードが提供されます。
豆腐チョコブラウニーについては、だだめしへ > コチラ

ポエカフェ後、本読みとして、まだまだだなあと思う出来事が。
作品の解釈は読者の自由だと思うけれど、なんかこう「ひっかかっているものの正体がわからない」って悶々としてしまう。
好きとか嫌いといった問題ではなく、読みやすいとかわかりにくいという問題でもなく、なにかとても大事なメッセージを見逃している感があるのに、それが何なのかがわからないという。
あまりにも歯がゆいので、いらしていた著者ご本人に聞いてしまった。失礼な話です。

でも、そういう状況に陥ると、無性に誰か、同じ本を読んだ人と話したくなる。
それが著者の狙ったことでもあるなら、まさに術中に嵌ったわけなのだけど、それができると物凄く楽しい。
打上げ会場に行くまで(行ってからも少し)、M君と、とても心弾む会話ができて、大変嬉しく、幸せでございました。
同じ本を読んでいて、その本について語る言葉を持っている人と話ができるチャンスって、そうそうないんだよね〜家が片付いたら、人数少なめの読書会みたいなことやりたいなあって、心底思った夜でした。

ちなみに、その本は↓



ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

文章が難しいわけじゃないけれど、咀嚼のしがいがあって、噛むほどに味が出るスルメ系の連作短編集です。
頭を使いたくない人には向かないけれど、わかりやすすぎる文章と展開、解釈の必要がないほど噛み砕かれた内容の本に飽き足らない方にお薦め。

読み終えた方は是非、私と語ってください!

posted by 駄々猫 at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 本関連イベントなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月29日

BOOKDAY富山★一箱古本市編(番外編)

BOOKDAY富山の一箱古本市レポート、前後編で終わるはずが、写真容量の問題?で、別記事に。
一応、続き物になっているので、いきなりここを見た方は、先に前後編をお読み下さい。

前編 > 
後編 > 

では、番外編。
全部のお店を撮影するには時間がなく、技術もなく・・・気になったお店兼買い物をしたお店で、お客さんの邪魔にならないタイミングで撮れた写真だけ。

012.JPG

「なかじまゆうか」さん サイト>

恐竜のイラストを描いている方。福井の恐竜館の話などする。
可愛い系の恐竜イラストだが、アニメっぽくないところが気に入った。
マグカップ、バッジ、ポストカードなどが売られており、バッジとカードを購入。
ブックカバーのフリー配布も嬉しかった。早速使っております♪


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「でっぱウサギの店」さん

看板は、お子さんが描いたイラストだそう。
店主さんは「出っ歯」ではなかったけれど、うさぎっぽいかも知れない。
本の好みは渋めの男性店主さんで、金沢一箱にも出店しているそう。
この箱は、丹念に探すと、お宝が隠れていそうだった。


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「古本よあけ」さん twitter> @oldbooks_yoake

「切手使えます」という文言に惹かれた。(ので、部分撮り)
しのばず一箱で、「ヒトハコ時報」の鴨志田氏がインド本だけの店を出した時に「ルピー払い可」と書いていたことを思い出した。

オリジナルフリペ(出品本リスト付)は、番号付きで、基本的には「一人一枚限定」配布。
すみません、南陀楼さんの分と保存分をいただきました。

古本よあけさんは、京都の「天神さんで一箱古本市」の常連さんで、奈良や金沢、石巻にも出店している。
一箱の宇宙への拘りが強く、しっかりした自分の意見を持っている方で、頼もしい。
回数を経ても、ブレることなく、冊数だの金額だのを誇らない出店者さんって尊敬する。
榊さんが「天神一箱のエース」と言っていた意味がわかったような。


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「うりぼう堂」さん ブログ>

うり坊はじめ、動物好きということが、一目でわかった。
オリジナルスタンプで作ったという、うり坊しおりが何種類もあり、紐の色も違うので、すごく真剣に自分の分と「うり坊収集家」の友人分を選んだ。
フリペ「お一人様一枚」なのに、友人分も貰ってしまいました、ちゃんと送るので、お許しを〜!


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わ、シベ超! しかも「裏」って!

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「Hi! I’m CJ SHOP」さん サイト>

店番の方は、地元の有名ラッパーDKXO(通称デカクソ)さん。(上関文庫さん情報感謝)
顔出しOKってことで掲載。
奥に「シベ超」の、出演者サイン入りTシャツが下げられています。
一体どこから仕入れてきたのか?
CD、エロ系zine、細いたけのこ?の瓶詰め・・・麗しきカオスぶり。

とってもフレンドリーでノリの良いお兄さんでした。
エロzineどれが良いか選んでもらい『プッシーブック』を購入。
相方と一緒に読んだ(見た)>S様に進呈予定

次回、富山に行った際には、お店に伺ってみたい。
可愛らしい「うりぼう堂」さんと並びってところがまた面白かった。


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「ピストン藤井の店」さん ブログ>

妄想彼氏のエチオピアくんと、愛玩鳥の雷鳥親子をお供に連れての出店。
とにかく目立っていました。
ピストン藤井さんも有名人らしく、翌日、かほく市在住の友人が「テレビで見たことある!」と。

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『郷土愛バカ一代』の平積み状態。本当にユニークで面白いzine。
この日だけの特価100円という有難い値段だったし!
知人も多く来店したようで、結構売れていました。本は多くはなかったけれど、サブカル、音楽、雑誌、小冊子などがあり、「いろは5号」を見つけて歓喜♪


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「珈琲と古書と風に」さん

一番良い場所に並べている本が、全部「非売品」という。
そして、筆文字で書かれた短冊があちこちに・・・。
そりゃ、私も、痕跡本テーマ出店の時は、「非売品」置きましたけど。
売りに来た、というよりも、大切な古い本に年齢を書いて見せに来た、ようです。

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このように、一冊一冊の本に年齢と解説が書かれています。(で、非売品)
京都在住だった、義理のお父様(故人)の本が多いそう。
蔵書家が亡くなると、家族が処分してしまうと良く聞きますが、良いお婿さんに恵まれましたね。

販売している本は、田舎暮らしの雑誌や時代物文庫で欲しい本はなく(非売品は欲しい本だらけでした)、なぜか色鉛筆を購入。


写真を撮っていないお店も含め、とても個性的な店主さんが多かった。
新刊だけの店、漫画だけの店、アンティーク古書(飾りとしての)メインの店、雑貨中心の店、フリマみたいな店・・・これだけ雑多な店が集まるなんて、富山、面白いなあ。

個人的には、もうちょっと、プロではない「本メイン」の店主さんが増えてくれると良いな。
特に、いまどき本(ここ1,2年に出た新刊)を並べてくれる出店者さん、求む!

以上で、富山一箱古本市のレポート終了。
何か思い出したら、こそこそっと手直しするかも知れません。
posted by 駄々猫 at 15:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 古本市(出店・参加) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月28日

BOOKDAY富山★一箱古本市編(後編)

今回のBOOKDAY富山一箱には、42店舗が参加。
数は多いけれど、一箇所にまとまっていたので、全部見ることができました。
更に、特徴的な店が多かったせいか、「ここは自分向けではないな」との判断が早くでき、スムーズに廻れたし、そんなに長い時間もかからなかったので「42店もあった?」という感じ。

●お客としての雑感

・テントと机の配置が良く「一つの箱に人が群がって見えない」ということがなかった
・受付で、出店者一覧(自己紹介付き)が紙媒体で貰えて良かった <他の一箱でもあると良い
・が、↑をちゃんと読んで廻れなかった(お客専科じゃないと、自店が気になってできない)
・フリマっぽい店、手作り中心、マニアック本のみ、等々個性的で飽きない
・怪獣フィギュアを置いている店があり、近くにいた子供2人と一緒に盛り上がる(これ持ってる〜等、自慢された)
・好物の「いまどき本」が見つけられなかった、残念(どこでも少な目ですが)
・プロ出店も多かったせいか、爆安価格、均一販売はあまりなかった
・机の上をディスプレイし、下に均一的な箱を置いている人も結構いた(厳密一箱ではない?)
・市民プラザの休憩所で、買ったらしき本を読んでいる人を発見。カフェなどに行かなくても(お金を払わなくても)お客がゆっくり座れる場所があるって良いな
・出店者特典だと思うが、送付が安価でできるとわかり、重さや大きさを考えずに本が買えた。お客でも送付OKなのかな?だとすれば、遠方からの客としてはありがたい
・アレフさんとあうん堂さんが並んだテント前で、ちょっとしたきっかけで、岐阜の高山から来たという若い女性のお客さんと話す。お客同士で本の話ができるのも嬉しい。

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・本は14冊購入。駄々猫にしては少ないのは、「今ここですぐ買いたい」ほどの好物があまりなかったことと、金沢・京都で古本を買う予定があったから。でも、1000円越え本があるので、値段的にはそれなり。
・帰京してから「少ないな。なんでもっと買わなかったの?」と自分突っ込み。
・やはり、いくらフラフラして良いとはいっても、出店していると、今ひとつお客として集中できない。「予算が余ったら買おう」「後から来て残っていたら買おう」「相方に電話で聞いてから買おう」と思ったモノたちを2/3忘れた(ハードコアラさんからCD買いそびれたことが特に悔しい)

・「でっぱウサギの本」さんは、一部にオリジナル帯あり。せっかくなので、うさぎの本(推理小説)を購入。
・「アレフ」さんの屋号の由来は、ヘブル語かと思ったら、ボルヘスから。
・「徒然舎」さんの品揃えには惚れ惚れするが、一冊にとどめておく。(行く行く詐欺を今年こそ何とかしたい)

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・雑貨を売っているお店もあり、楽しかった。本だけでも良いけど、雑貨があると目が休まる。
・お隣の「ホリデイブックス」さんに、その場で作ってもらったアロマバスソルト2袋の香りが良く、荷物の中にしのばせていたら、洗濯物の汗臭さも消え、帰宅するまで気分が良かった

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・手作り系のお店もあった。恐竜好きな「なかじまゆうか」さんと、うり坊好きな「うりぼう堂」さん。どちらも可愛らしいお嬢さん。恐竜好きだし、うり坊は友人に収集家がいるので、嬉しくお買い物。なかじまさんは、恐竜の絵のブックカバーをフリー配布、うりぼう堂さんはフリペ配布。クリエイターさんは、どこでもフリペ作成率、名刺配布率高し。

008.JPG

・「ニャンカフェブックス」さんと、神戸女子市ぶりに再会。猫の絵のついたショップ案内をいただいたので、みちくさ市で配布予定
・「古本よあけ」さん、「うりぼう堂」さん、「HONKIBOOKS」さんのフリペをいただく、フリペ収集家として嬉しい
・念願の、ピストン藤井『郷土愛バカ一代』ゲット!話もしたかったが、ピストンさんが突然ビールを倒し、その後始末にてんやわんやで、ゆっくりとは話せず。
・「Hi! I’m CJ SHOP」さんのインパクトは凄かった。(詳細は番外編にて!)


続けて、一箱古本市で撮った写真+コメントを書こうと思ったのですが。
写真容量の問題なのか、ブログ表示が変になってしまうので、番外編を作ります。
後編で終わらなくてごめんなさい。



posted by 駄々猫 at 23:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 古本市(出店・参加) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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